山採り苗について その2

正直めんどくさくて書きたくない事ばかり。

以前の記事に山採りについてざっくり書いたのだけれど、日本ではこれらの苗はヤフオクのようなオークションサイトやナーセリーなんかで売られている。

最近でもフィリピンからかなりの量の山採りネペンが入ってきているようで、ヤフオクでそれらの出品は確認出来ている。

売っている側はまっとうに入れたものだから大丈夫の一点張りなので、まあぶっちゃけ金儲けでやっているだろうから何言っても無駄だと思っている。

今回特に問題だと思ったネペンテス・エルコイデスに関しては2019年に発見された新種で、自生地のMt.Redondoは鉱物採取の為の保護林になっている。

近年は研究目的であっても立ち入りや採取の許可を得る必要があるので論文を出す以上これらを守らなければならない。

N.erucoidesの論文

で下のが今回出品された植物のスクショの一部ですね。








メールアドレスなんかも載せていてほしい人は連絡してねとまで書いてある。

こんなんがサイテスと検疫証明書ついてるだけでポンと輸出出来て日本の検疫も書類さえついてれば入れられちゃうわけですね。

正直馬鹿らしくて言うのも憚られるレベルなのだけれど日本国内の現状があまりにもひどいので書かざるを得ないのが現状です。


追記:

今回の件はツイッターとFBのハイランドグループにも上げたのだけれど本種の記載者でもあるAlastair Robinson氏からコメントを頂けた。

「今回の件で私は大変落ち込んでいます。しかし、こうした問題の情報の共有は大切な事です。これらは地元民が山採りしたものを買っているのでしょう。

この件は、フィリピンの天然資源を監督している役員の一人が、フィリピンの国家捜査局に報告しています。ご報告ありがとうございました。」

との事でした。

氏の悲しみややるせなさは私以上のものでしょう。


追記の追記:

これらの出品は取り消されYahoo IDも削除されたようです。

何か思うところでもあれば良いのですが一時しのぎ的なものでしょうしヤフオクのIDは再取得も容易です。

エルコイデスだけ消すかと思ったけどトランカータとかネブラルムも自生地的には保護区か何かだと考えた方が無難なのでしょうね。

やろうと思えばtwitterなどのSNSで個人的な取引を求める事も出来てしまうのが現代です。

こういった情報に関してはしっかりとネット上に残していく事が大事です。

消される前にスクショ撮っておいたのは正解でした。

最後に

エルコイデスやネブラルムに関しても研究目的に採取された種から実生苗や培養苗が安価で出回っています。
新種であっても数年すれば更に値が落ち着くことも確認出来ている以上山採り苗を買わなければならない理由はありません。
逆に、世界中でこれらの植物の需要が高くなっている以上自生地からの資源を採取してしまう事は種の絶滅に直結していると言わざるを得ません。

日本国内の動植物の輸入は税関や検疫の検査が厳しくなってきており、国際輸送サービスに於いても動植物の輸送を原則として禁止している国やサービスが増えてきております。

ドロセラやタヌキモのように一部の種類が特定外来種に指定されることによって輸入に規制がかかるような事態にはなりにくいウツボカズラですが、こうも問題が上がってくると、役所側も厳しい方へ動かざるを得なくなっていきます。
最終的に植物の輸入そのものが難しくなっていく事は確実でしょう。

ウツボカズラは1年草ではありませんし非常に長期間の栽培が可能な植物です。
自生地から奪われてしまった植物を戻す手立てはありません、自らのいっときの欲求を満たす為に貴重な資源を損なうようなことをする事が果たして趣味なのでしょうか?
今一度各個人がよく考えるべきだと私は思います。




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