はじめに
今回の話題としてはN.clipeataの自生地から大量に盗掘が行われ、その実行犯が逮捕されたという事です。
クリペアタは数十年前にも大規模に乱獲された上に、その際に自生地の山に火を付けられていたりと、絶滅が非常に危惧されている種類です。
このクリペアタの山採りについては、先にも書いた通り今回が初めて山採りされたという訳ではなく定期的にされていたとみる他ないでしょう。
実際数年前(情報によれば2017年位)から乱獲されたとみられる苗が国内にかなりの数が入ってきているので計画的、組織的な関与がされていたと思われます。
現実としては
これに関してはクリペアタだけではなく、様々な種類が同様に乱獲され、そもそもの採取が禁止されている自然公園などから大量の植物が持ち去られています。
分かっているだけで数年前にもボルネオのトラスマディ山(保護区域)から大量のN.マクロフィラ、トラスマディエンシス、ローウィが盗掘されて日本などの海外に持ち去られています。
他にもFaceBookで趣味家を相手に採取したラジャ、マプルエンシス等を販売しようとする人間が複数確認されております。
あとはエドワードシアナ、ビロサ、モーリス、クロッシー、エイマエ、ハマタ等の貴重な種類がこうして取引されています。
ウツボカズラはワシントン条約(CITES)2類以上の取引が制限されている植物ですが、たとえ採取が禁止されている山固有の種類であったとしても、インドネシアやマレーシアのような輸出側の国では簡単に書類が作成され、税関や検疫を通ってしまいます。
売る側としても買う側としても証明書類が付いているから大丈夫という言い訳が出来てしまうわけです。
はっきり言ってしまうなら、原種のネペンテスはほぼ全種類がAndreas Wistuba氏のような研究者が研究目的で採取された種から無菌播種、培養された苗が安定して複数業者から供給されています。
そもそも論であれば、山採り苗などは必要ないはずなのですが、これらの需要と供給がなくならないのが現実です。
日本では普通に業者のサイトやヤフオクなんかで山採り苗がいっしょくたに売られているのも問題なのでしょうが。
最後に
今回の話題についても、私は海外のフォーラムで話題になっていたから知ったのであって、日本国内のコミュニティでは一切話題にはなっていませんでした。
現実的に見ていくのであれば、自生地が絶滅するまで密猟は後を絶たないでしょうし国内にも今後も入り続けていく事でしょう。
最終的には検疫がより厳しくなって輸入がほぼ出来なくなることはドロセラ等を見るに容易に判断出来ます。
もう取り返しのつかないところはとうの昔に通り過ぎているわけですが、どうなるかはこれからの人たち次第でもあります。
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