部屋の出入り、窓の開け閉め、新しく購入した苗、どんなに注意していても入ってくる時は入ってきます。
それでも害虫が繁殖できるかどうかの鍵は、農薬の定期的な散布と、苗の健康状態にかかっていると言っても過言ではありません。
他は大丈夫でも性質上弱いものや調子を崩している苗には容赦なく襲いかかります。
その為定期的な殺虫剤の散布による防除や、発生の初期段階における殺虫剤の使用を心がけるようにしましょう。
ダニ
葉の表や裏に細かい斑点が出る、葉が茶色く委縮したようになる場合はハダニが繁殖している可能性が高いです。
夏前にもっとも繁殖するようですが冬にも出ます。
主に乾燥した高温の環境を好むので低地性ネペンテスの栽培環境では発生させてしまう場合が多いようです。
コナダニは目にほとんど見えませんが、ハダニは容易に目視での確認が可能です。
ネペンテスの場合はコロマイトやバロックが効果的です。
スリップス(アザミウマ)
スリップスは新芽の生長点に入り込んで汁を吸います。
この為繁殖が進むと葉の極端な縮れや茶色い染みの発生が見られます。
世代交代が早く一度農薬を撒いても卵には効果が無い為隔週で複数回撒く必要があります。
特に高地性ネペンテスに付きやすく繁殖を許すとダメージが大きくなるケースが多いです。
新芽のあたりに白っぽいもぞもぞ動く虫がいたら100%スリップスです。
小さいため一見トビムシの様にも見えますがスリップスの方が動きが遅く新芽に集中している為見分けは付きます。
農薬に対する耐性が付きやすいので、アクタラ、アファーム、コテツ、スピノエース、スミチオン、ダントツ、ディアナ、ベストガード、マッチ、モスピラン等、同じ成分の殺虫剤を連用し続けない事が大事です。
カイガラムシ
カイガラムシも複数種類いますがネペンテスに主に付くのはコナカイガラムシになるでしょう。
大体は根に付いて繁殖する為発生が分かり辛いです。
用土の水分量が過度に多いと繁殖しやすいようでアリが運んできたりもします。
被害としては根が弱ってしまうので根の除去か挿し木になります。
オルトラン、スミチオン、アクテリックが有効ですが、これらが発生しないような環境を心がけていれば繁殖は防げます。
ネコブセンチュウ
主に土壌からやって来ます。
雨や潅水で地面の土が跳ね返り土に入る、鉢を地面の上に置く、ネペンのピッチャーを地面に付けさせる、これらだけでもアウトです。必ずやめましょう。
一度根に線虫が寄生すると根に瘤ができ生育を阻害します。
薬剤等の使用は無意味で挿し木にする以外除去できません。
この鉢から他の苗に感染する可能性も高いので注意が必要です。
その他
葉を食害するような害虫に関してはバッタに食べられることがあります。
ナメクジやカタツムリは葉を食べたりはしませんが、植え込み材のミズゴケを食べたり鉢の中に卵を産み付けたりするので注意が必要です。
あまり例がありませんがシンクイムシ類に茎の内部から食べつくされて枯れるというケースを何件か聞いている為留意しておいた方が良いでしょう。
最後に
害虫に関して言える事は、これらが繁殖してしまう環境を作ってしまった結果、被害が出てしまう場合が多いです。
一見虫が付いていないように見えても苗の調子があまり良くない場合は病虫害や管理の変更を考えるようにしましょう。
また今度でいいやと放っておいて気が付いた頃には大繁殖して手遅れになる、そんな前に対処するのが先決です。
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