加湿方法について


前回の設備に関する事と併せて考えて貰うとより参考になりやすいと思います。

低地性と高地性の栽培に関しても空中湿度を好む部類の植物です。
とは言っても自生の環境が全く違うのでその再現方法も変わってきます。

少なくとも日本の冬は40パーセント以下の日が多く、室内では暖房の使用等で更に乾燥していたりする場合もあるでしょう。
ここまで来ると室内そのものの加湿も必要になってきますが、ネペンテスに関してはどの種類も最低50~60%以上の湿度を目指すようにした方が良いです。

夏の場合は低地性に関しては外に置いておけば十分、高地性は冷房の使用等で湿度は減少傾向(温度差で更に湿度は下がる為)にあるので加湿の必要は出てきます。

ミストシャワー

霧粒子の大きさ:10~30ミクロン

高地性やある程度の中高地性、これらの交配種に向いています。
夏場の温度上昇とそれに伴うドライアウトも防げます。

これらの種類のネペンテスは葉が濡れたままの状態でもある程度の耐性があるのでこのような方法を取ることが出来る、といった方が早いです。
勿論用土も濡れたままの状態になるのでこうした状態を嫌う種類にはあまり向きません。

また下げられる温度にも上限があるのであまり暑がる種類には無理して外に出しておくよりも室内に取り込んだ方が無難です。

遠心加湿器

霧粒子の大きさ:5~30ミクロン

水道やタンクから給水しながら稼働するタイプの加湿器です。
遠心力で細かくした水滴を飛ばしますが粒子は大きめで手をかざせば水滴が付いて濡れるような形です。
稼働音がかなり大きい事や、消費電力もかかります。
狭い空間だとあっという間に霧で覆ってしまう為、タイマーで稼働時間を間欠にしたりする必要があります。

稼働音や粒子の径等の問題がありますので温室やビニールハウス等の屋外での使用が前提です。

超音波加湿器

霧粒子の大きさ:4~5ミクロン

商品によりけりですが基本安価で最も細かい水分の粒子を飛ばすことが出来ます。
消費電力も少なく稼働音もほとんどないので室内での使用に向いています。

そのまま付けっぱなしだと1日程でタンクが空になってしまう事と、容器の大きさによっては加湿のし過ぎになってしまう場合が多いのでタイマーで間欠的に加湿するようにしましょう。

加湿器本体を容器内に入れて使用すると漏電の危険がある為ホース等で容器の外から霧を送り込むようにした方が良いです。

より大型の温室や施設園芸用の超音波加湿器もありますが高価で消費電力も高いです。

タンクに入れる水は水道水や井戸水ではなくRO水のような不純物が取り除かれた塩類等の析出がないものを選んだ方が葉に白い結晶が付いたりすることを防げます。

霧吹き

霧粒子の大きさ:50~数百ミクロン

殺菌剤や殺虫剤を植物体に散布する際に使用します。
葉水をしたい時に朝スプレーする等には役立つかもしれませんがネペンテスの栽培にはそこまで使う必要もないかと思います。

まとめ

低地性と中高地性種は、一部の種類を除けば用土の乾湿量が多い方が根が良く育つものが多いので、加湿器を使用して用土が濡れたままにするよりは通気を意識して日照や温度を最適に近付けてあげた方が良いです。
流石に冬場は乾燥しすぎているので潅水は控えるのは勿論ですが、最低限の保湿や加湿はしておいた方がダメージを少なく出来ます。

高地性に関してもほとんど同様ですが、用土の乾湿があまりに厳しいと根が傷んでしまいます。
空中湿度を求める量も低地性より高い傾向の種類が多いので、日照や温度の管理のコツが掴めてきたら湿度についても気にしていった方が良い、その位で大丈夫です。

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