冷房について



屋内用の冷房に関しては高地性と一部の中高地性向けの方法です。

低地性と交配種に関してはここ数年の真夏の猛暑では調子を崩す種類もいますが、遮光と風通しの良い場所に置いた方が手っ取り早いです。

遮光ネット

一番大事です。
太陽光線の熱を物理的に減らす事が出来るので植物体や鉢内が直接加熱されるのを防ぐことが出来ます。
基本的な時期は50%で十分なのですが夏になるとこれだけではかなりきつくなってしまうので75%以上のものにしたり熱を遮断するタイプの遮光ネットの使用もするとなお良いです。

あくまで夏の間の避難の為の遮光量を増やすという目的の為、暑がる種類等は出来れば室内の冷房の効いた場所に移してしまうのも手です。

遮光ネットとひと口に言っても様々なタイプがあるので、また別な記事でしっかり書こうかと思います。

ミストシャワー

夏の間は有効です。
そこまで暑がらない高地性や交配種、用土が濡れっぱなしでもそこまで調子が落ちない中高地性には向きます。

井戸水の方が水温が低いですがノズルが詰まるのと植物にも危険なので水道水での使用が前提です。
植物体や用土にミストを当てないのであれば井戸水の使用も視野に入れて大丈夫ですが、ノズルの詰まりや地域による使用の取り決め等はあらかじめ調べる必要があります。

水道代を気にしないのであれば出しっぱなしでも問題ないですが、電磁弁とタイマーを併用して出す時間を決めることが出来ます。

長期間水をかけていると珪藻が発生して葉っぱに付いたりします。
これは水質にもよりますが悪影響につながるのであまり発生が多いようだと直接ミストをかけたりする管理はしない方が良いです。

また水をまき散らす上に余剰分が垂れたりするので近隣に迷惑がかかる可能性がある場合は使用しないようにしましょう。

通気

夏はただでさえ湿度が高いので外置きの場合、通気はかなり意識した方が良いです。
ビニールハウスや温室は特に空気の流れが悪いので側面を開いたりして通気を良くしましょう。
屋上や風の極端に強い場所などは乾燥しないようにした方が良いですが。
上記2つと併せて考えるとより良い環境につなげられると思います。

エアコン

実はというとそこまでお金がかかりません。
部屋によっては初めからある場合が殆どでしょうし電源の入り切りをしなければ運転開始時の高い電力消費を無くせます。
湿度は減りますので注意は必要です。
昼間の温度上昇を防ぐのは勿論夜中の温度上昇もさせないので付けっぱなしで良いのが非常に便利です。
昼間と夜中の温度設定は変えた方が良いですが手間な場合は昼間の温度に合わせておけば大丈夫でしょう。

間仕切り等を使えばより冷やす範囲を狭く出来る為消費電力の節約にもなります。

ただし、梅雨明け前と秋になってエアコンをやめた時期に必ずエアコンの清掃をしましょう。
中身のシロッコファンまで徹底的に掃除しないとカビをまき散らします。
これは通常の使用でも同じことが言えますのでやっておくことに越したことはありません。

アクアクーラー

冷やした水を容器内に循環させて冷やす方法です。
電気代が結構かかります。
室内タイプは排熱も相当に出るので結局エアコンと併用しないと部屋の温度は上がり続けますしアクアクーラーに負荷がかかります。
勿論湿度も奪われます。
室内と容器の温度差が激しいと結露も発生するので対策が必要です。
断熱材の使用等も大事でしょう。

冷却ユニット

エアコンは基本18度以下には出来ないのでそれ以下にするために使用します。
湿度がかなり奪われます。
排熱もかなり出ます。
この時ドレンから排水する必要があります。
別に使う必要はないでしょう。

冷蔵ショーケース等

太陽光や育成灯等の照射を前提としていないので故障等の補償対象外での使用になります。
そのままだと低い温度設定の物しかない為、外部から逆サーモ(温度が一定値まで下がったら停止するようにするサーモスタット)の使用が前提になります。
逆サーモは時間によって温度設定を変更できるものもあるのでそうしたものの方が向いているでしょう。
稼働時は湿度を奪われます。
排熱も出るので雨の当たらない風通しの良い場所に置くかエアコンの効いた室内に置くのが良いでしょう。

エバポレータークーラー(冷風扇)

気化熱を利用した冷却法です。
いわゆる小型で移動可能なパッドアンドファン法といったところ。
消費電力もファンと水の循環のみなので少なく済みます。

海外の空気が乾燥した地域では結構メジャーな冷房で家屋に設置して使用されたりもしています。
エレメントに水を流してそこに風を当てて気化熱によって冷えて湿った空気を送ります。
日本の夏は湿度が高いためそこまで冷やせません。

最後に

夏は低地性は風通し良く遮光もそこそこ強め、高地性は大人しく室内でエアコン管理した方が楽です。

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