有機用土について

ネペンテスの植え込みに使用する用土に関してはどれが正解、というよりは
自分が育てる環境に於いてどんなものが向いているかを考えた方が楽です。
選択肢は多い方が良いと思うのでひと通りの紹介をしていきます。

乾燥ミズゴケ

ミズゴケを乾燥させた資材です。
市販されているものは繊維の長さによって等級が決まっており、
AA~AAAA級が見られます。

あくまでこの等級はミズゴケの長さに依存するもので品質に違いはないそうですが、
等級が低いものは他の植物の葉片などが多く含まれている場合が多いので
AAA以上のものを購入した方が無難です。

他にも産地によって性質が変わってくるのも特徴です。
一般的に販売されているミズゴケはニュージーランド産かチリ産ですが、
後者は中に含まれるゴミも多く水を吸わせても膨らみ辛いのであまりお勧めはしません。
乾燥させてパックした状態で販売されている為、
植え込み前に水を含ませる必要があります。
バケツに水を入れてその中で戻す方法が良く挙げられていますが、
ゴミ袋にそのまま入れ込んで水を1リットルほど入れて数時間放置する方法を
お勧めします。

他にも沸騰したお湯に数秒ほど潜らせて戻す方法もありますが試した事はありません。
ミズゴケの消毒と雑草の種を発芽させなくする目的があるようですね。

乾湿を持たせやすく低地性ネペンテスには非常に向いています。

生ミズゴケ

生きた状態のミズゴケを植え込み材として使うパターンです。
乾燥ミズゴケを植え込み材として使っているとミズゴケが生えてくる場合もあります。

一般的にミズゴケと言っても複数種類あり、繊維が細いものから太いものまで様々です。
ネペンテスの栽培には繊維が細いミズゴケは水分量が多すぎるせいかあまり向いていません。
湿度を求める高地性ネペンテスには向いている資材だと考えています。
生ミズゴケを状態良く保てていれば栽培環境の指標として役立つ側面もあります。

逆に用土に過度な水分を持ちやすいため低地性ネペンテスには不向きです。
用土に乾湿を作りたい場合にもミズゴケが最悪枯れてしまう為向きません。

ピートモス

ミズゴケが腐ることなく堆積して泥炭(ピート)になったものです。
産地が複数存在しており、性質も異なります。

普段ホームセンターで売られているものは主にカナダ産で、非常に細かく柔らかいです。
こうしたものはあまりに細かく分解も速いのでネペンテスの栽培用土には向きません。
ラトビア産等の繊維が大きく分解に時間がかかるものがおすすめです。

それでも分解速度はミズゴケ等よりも圧倒的に速く、長くても1年程しか使えません。
その分細かく根が張りやすいので小さい苗の栽培に重宝します。

ココピート

ココナッツ果実の硬い繊維(ヤシガラ)を数年堆積発酵させた資材です。
ピートモスの代替品として使われるようになりました。
特徴としてはphが中性である事、
ピートモスよりも分解が遅く長く使える事が挙げられます。
分解までに3年程かかる為、植替えまでの期間を長く設ける事が可能です。

安価で根も張りやすいですが成長速度はあまり良くありません。

ベラボン

ココピート同様ヤシガラを発酵させた資材ですがこちらは繊維~チップ状のものです。
こちらも分解までは3年程かかるようです。
ミズゴケのように水を吸わせてから使うタイプで乾いてくると縮む為根の通気と伸長を助ける効果があるそうです。
値段が高価である事と乾湿に癖がある為あまり使った事がありませんが、
オーストラリアのExotica Plants等のナーセリーでは
メインの植え込み資材として使われています。

最後に

一般的に売られている資材は以上になります。
私は基本乾燥ミズゴケで管理していますがたまにピートモスを使用する位です。

生ミズゴケが生育出来る環境=高地性ネペンテスも生育可能な環境ではありますが
必ずしも使わなければいけないものでもありません。


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